昨夜のうだるような暑さ、そして日中の殺人的な日差し、からだが溶けそうな Toaki です。
寒いのは着こめばなんとかなりますが、暑いのはどうしようもない!
室内であれば冷房などきいているので涼しんですか、外出時は・・・ね(苦笑)
汗・・・
汗には 「良い汗と悪い汗」 があります。皆さんはその違いがわかりますか?
恒温動物の人間にとって、体温が急上昇したときにかく汗は必要なものです。
しかし汗の中には体温調整を効率よく行う汗と、流れるだけのムダ汗とがあるのです。
汗は、次のような仕組みで分泌されます。
体温が上昇すると、血液から血漿 (けっしょう) が汗腺に取り込まれます。
このとき、体にとって必要なミネラル分はほとんど血液にろ過 (再吸収) され、水分とわずかな塩分等が汗として皮膚面に排出されます。
これが本来の汗であり、「良い汗」 と言えます。
血漿への再吸収機能がうまく働いている良い汗ほど、水に近いサラサラの汗になります。濃度が薄いので蒸発しやすく気化熱による体温調節がスムーズに行われるのです。
ところが、汗腺の機能が鈍って、ミネラル分を十分ろ過できずに、水分と一緒に体外に排出される汗はベトベトして蒸発しにくく、体温調整がうまく働きません。
現代人のかく汗はこの 「悪い汗」 が多くなっているようです。
交通機関の発達による運動不足、冷暖房設備の普及によるエアコン漬けなど、現代人は汗をかく機会が減っています。汗はかかないと汗腺機能が低下して 「かけなくなる」 のです。
その上に生活環境・人間関係のストレスや緊張による冷や汗のような 「精神性発汗」 も突発的かつ大量にかくため、再吸収が追いつかずミネラル分の多い悪い汗になってしまうのです。
ではなぜ汗はにおうのか?
良い汗は蒸発しやすく、皮膚本来の持つ弱酸性に保つため、皮膚常在菌の繁殖を抑えてくれます。したがって良い汗は、かきたては無色・無臭・無菌なので、汚いものではなく臭くないのです。
ところが、悪い汗はベタベタしてアンモニアなどのニオイ成分を元々含んで出てきます。
その上、血漿の重炭酸イオンを多く含むため、皮膚表面をアルカリ化します。アルカリ性の環境下では雑菌が繁殖しやすくなるため、さらに汗のニオイが強くなってしまうのです。
悪い汗による影響は、ニオイだけではありません。
悪い汗は体温調節の効率が悪いだけではなく、体に必要なミネラル分が血液から失われることになりますから、大量にかけば夏バテなどの慢性疲労や熱中症の原因ともなってしまうのです。
汗腺は使わなければ退化して、休眠する汗腺が増えてしまうのです。
働く汗腺が減少すれば当然一つ一つの汗腺に負担がかかり、大粒でダラダラの悪い汗をかくようになります。
したがって汗腺を退化させない生活に切り替えることが大切です。
汗腺を退化させないためにも適度な運動や発汗させる行為が必要になります。
運動する時間のなかなかとれない人は、自宅のお風呂でできる“汗腺トレーニング”で汗腺のリハビリも必要です。
汗腺トレーニングは機能の低下しやすい手足を熱いお湯で温める汗腺の鍛錬法です。手順は簡単です。
① 43度くらいの熱めのお湯に膝から下を15分くらいつける。
② その後、肘から下(腕だけ)を15分くらいつける。
③ 36度くらいの微温浴で15分くらい全身をゆっくりとつかる。
①②を「手足高温法」と呼び、医学的には「暑熱順化」といいます。これは、きちんと働く能動汗腺を増やす方法で、高温浴によって交感神経を刺激します。
そして、③の微温浴で副交換神経を刺激してバランスをとります。
この汗腺トレーニングを2週間くらい続けると「良い汗をかけるようになった」と実感できます。
良い汗をかけるようになれば、この夏の暑さも乗りきれるでしょう。
それでも汗のにおいが気になる方はシークレットアロマをどうぞ!